今回は「補助金」と「助成金」の基本的な定義と違い について解説します。
「どちらも資金支援制度だから同じでは?」と思われがちですが、申請条件や支給の仕組みが大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、自社に最適な制度を活用しましょう!
✅ 1. 補助金とは?(概要・目的・特徴)
補助金は、国や自治体が特定の事業や取り組みを促進するために支給する資金 です。審査を通過した企業や個人が対象となり、競争性が高い のが特徴です。
補助金の主な目的は、新規事業の創出、設備投資、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進、環境対策など、特定の政策目的に沿った事業を支援すること です。
支給までの流れは、申請 → 審査 → 採択 → 事業実施 → 成果報告 → 補助金支給 という順番で進みます。申請後に審査があり、全員が受け取れるわけではありません。
代表的な補助金には、ものづくり補助金(製造業の設備投資支援)、IT導入補助金(中小企業のITツール導入支援)、事業再構築補助金(新分野進出や業態転換支援) などがあります。
➡ 補助金は「事業を成長させる投資」として活用するのがポイント!
✅ 2. 助成金とは?(概要・目的・特徴)
助成金は、一定の条件を満たせば、ほぼ確実に受給できる資金 です。特に雇用関連や労働環境の改善 に関するものが多く、厚生労働省が管轄することが一般的です。
助成金の主な目的は、人材採用や育成、労働環境の改善、雇用の維持 です。企業が一定の基準を満たせば、基本的に受給が可能です。例えば、非正規雇用者を正社員に転換した場合に支給される「キャリアアップ助成金」や、雇用維持のための「産業雇用安定助成金」などがあります。
支給までの流れは、要件を満たす → 申請 → 受給 というシンプルな仕組みです。審査はありますが、補助金のように競争で採択されるわけではありません。
➡ 助成金は「人材育成・雇用維持の支援」として活用するのがポイント!
✅ 3. 補助金・助成金・給付金の違い
「補助金」「助成金」「給付金」は、いずれも資金支援制度ですが、それぞれ目的や仕組みが異なります。
補助金は、特定の政策目的に沿った事業を支援するための資金 であり、申請者の事業計画が審査され、採択された場合のみ受給できます。一方、助成金は人材や雇用関連の支援を目的とした資金 であり、要件を満たせば基本的に受給が可能です。
これに対して、給付金は生活支援や緊急支援を目的とした資金 であり、新型コロナウイルス対策の「持続化給付金」など、特定の要件を満たせば一律で支給されるものが多くあります。
➡ 補助金は「事業投資向け」、助成金は「人材・雇用支援」、給付金は「生活や緊急支援」に使われることが多い。
✅ 4. 補助金と助成金の財源(国・自治体・民間)
補助金・助成金の財源は、主に国(政府予算)、地方自治体(県・市町村の予算)、民間団体・企業 の3つがあります。
国の予算で運営される補助金・助成金は、経済産業省・厚生労働省・環境省などが所管し、政策目的に応じて支給されます。例えば、IT導入補助金やキャリアアップ助成金などがあります。
地方自治体の補助金・助成金は、地域経済の活性化や雇用創出を目的として、都道府県や市町村が独自に設計した制度が多く、創業支援補助金や地域活性化助成金などがあります。
また、財団や企業が提供する民間助成金もあり、研究開発支援やCSR活動の一環として支給されるものがあります。
➡ 補助金・助成金の財源を理解し、自社に合った支援制度を選ぶことが重要。
✅ 5. 補助金と助成金の支給元(経済産業省・厚生労働省など)
補助金・助成金は、それぞれ管轄する機関が異なります。
補助金は、主に経済産業省(ものづくり補助金、事業再構築補助金)、環境省(省エネ設備導入補助金)、農林水産省(農業関連補助金)などが支給元となります。また、地方自治体が独自に提供する補助金もあります。
助成金は、厚生労働省が管轄するものが多く、雇用関係助成金や人材開発助成金などが代表的です。また、地方自治体や民間団体が提供する助成金も存在します。
➡ 申請する補助金・助成金の支給元を把握し、適切な窓口に相談することが重要。
📌 まとめ:補助金と助成金の違いを理解し、適切に活用しよう!
✔ 補助金は「事業成長・投資支援」、助成金は「雇用維持・人材育成支援」
✔ 補助金は審査があるが、助成金は要件を満たせば基本的に受給可能
✔ 給付金は生活支援や緊急支援向けで、補助金・助成金とは目的が異なる
✔ 財源や支給元(国・自治体・民間)を確認し、適切な支援制度を活用する
補助金・助成金をうまく活用することで、事業の成長や経営改善につなげることができます。