補助金とは33 【人手不足って何?】

補助金とは33 【人手不足って何?】

【人手不足って何?】

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<「近頃は物騒な事件が多い」・・・?>

一つクイズを出したいと思います。
「最近、犯罪は増えているでしょうか。減っているでしょうか。」

正解は、「減っている」です。

ニュースなどではショッキングな事件を取り扱い続けるので、感覚値とは違うかもしれません。
しかし、実態は、15年間減り続けています。

なぜ、減っているのでしょうか。

「人手不足」だからです。

人手不足というのは、単純に働き手が少ない状態のことを言います。
レストランでいえば、アルバイトのウエイターの数が足りないので、専門職であるコックさんがホールに出て注文をとっている状態です。
いかにも効率が悪そうですね。

話を戻すと、実は犯罪の多くは高い技能を必要とします。
件数が多い空き巣ひとつを例にとっても、想像に難くないのではないでしょうか。
素人が手を出してもすぐに捕まりそうですね。

「世の中が人手不足なので、専門職である空き巣が通常の仕事をしている。」
というのが犯罪が減っている原因です。
全体としては悪いことではありませんね。
安全な社会というものは何物にも代えがたいものがあります。

<取り残される建設業>

しかし、全体で問題がないとしても、業界や会社を限って考えれば、手放しでは喜べません。

特に、建設業の人手不足はまったくもって深刻な状態です。

もともと日本では、就業人口の約1割が建設業に従事していました。
これは、いかにも多すぎるので、当時の政府は公共事業を絞り込みます。
(2001年に誕生した小泉純一郎政権。実はこの頃、現在の補助金とは異なる方法論の補助金が制度化されました。)

すると、ピーク時の1997年には、約685万人いた建設業の就業者が、2013年には499万人になりました。
約3割の減少です。
建設各社とも、人員や設備を削減してスリム化を図った結果です。

そうこうしているうちに、東日本大震災が起き、復興需要が急増しました。
さらに、経済対策として公共工事を増やしました。
(消費増税後の景気冷え込みを避けるためとも、単に政策の違いとも言われています。農業は補助金・建設は公共事業とよばれた呼ばれた時代に振り戻しが起こったともいえます。特に第2次安倍政権)

その結果、一気に仕事が増え、仕事量に対する不足感が高まっています。
この状況は、2020年に開催される、東京五輪関連のインフラ整備が終わるまでは、続いていくとみられています。

もともと民需に比べて公共事業の比率が高いので、政策に左右されてしまうのは仕方ありません。
民需を増やせば良いという意見もありますが、民間需要が高いということは景気が良いということであり、他産業との人手の奪い合いになりますから、根本的な解決にはなりません。

とにもかくにも、建設業は、向こう5年間人手不足が続くということです。
これは、仕事はあるのに、人手不足による人件費高騰で利益が残らないという状況が、あと5年続くということです。

<水はあと半分残っている>

ただし、見方を変えれば、仕事はあるわけです。
人手不足さえ解消すれば、大変有望な業界ともいえます。

人手不足の問題点は人件費がかかることです。
この点に絞って対策を考えればよいのですから、構造はシンプルです。

ここで、もう一度人手不足の本質を確認すると、専門職が一般職をこなしている状態です。

たとえば、

・アルバイトのウエイターの数が足りないので、専門職であるコックさんがホールに出て注文をとっている状態
・専門職である空き巣が通常の仕事をしている

です。

建設業に置き換えてみると・・・

・専門職である職人が事務をしている状態
・経営の専門家である社長が事務処理をしている状態

といえるでしょう。

どうやら、攻略すべきは、「事務」のようです。

<特効薬と副作用>

この30年間、一般事務の仕事は減り続けています。
いえ、正確にいうと、仕事量は増えていますが、従事者は減っています。
例えば会計事務所でいえば、事務処理件数は2倍に増えましたが、職員数は半分に減りました。
(功罪・作用反作用はもちろんあるのですが、それはまた別の機会に)

その差はどうなったかといえば、機械が埋めてくれました。
人の能力はこの1万年の間、大して変わっていませんが、機械の処理能力はわずか10年で何千何万倍も進化しています。

結果は推して知るべしです。

今後もこの流れは止まらないでしょう。

進化し続ける機械をどう活用するか、それが建設業界の取り組むべき課題そのものなのです。

次のセミナー勉強会ではその具体的な方法論を提示したいと思います。
テーマは、「お金をかけずに人手不足を解消する」です。

少しでも興味を持たれた方は、ぜひご参加下さい。

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