補助金とは３９「◯◯は儲からないんです。わかります？言っていることわかります？」

2016.07.28
ブログ

補助金とは３９　「◯◯は儲からないんです。わかります？言っていることわかります？」

補助金とは３９　「◯◯は儲からないんです。わかります？言っていることわかります？」

たまたま会食の席で同席した方に、クラウドファンディングのお話をしました。
仕組みから始まり、今取り組んでいるプロジェクトの趣旨、そしてその進捗を、問われたので答えしました。

お話したクラウドファンディングのプロジェクト詳細と最新情報はこちらから
https://readyfor.jp/projects/maki0208/comments

その方曰く、取り組んでいらっしゃる事業「◯◯」があり、それにクラウドファンディングを使いたいとのこと。
マーケットを提供して出展者を募り、出展料をえる、というのがその骨子のようです。

概要を聞く限り、クラウドファンディングも利用は可能そうな案件でした。
しかし、いくつか気がかりな点もありました。
聞いた話をまとめると次のとおりです。

・ほとんど儲かっていない。
出展料が高いと出展者が集まらないので「タダ同然で」出展させている
結果、利益は残らず、持ち出しになっています。

・出展者「には」負担をさせたくない
実はこれが致命的なのではと思いました。
つまるところ、いい顔をしたいということでしょう。
ただで何かをすれば「ありがとうございます」とは言ってもらえます。
しかし、それはビジネスではありません。
仕事には適正な報酬が必要です。
サービスには適正な料金が必要なのです。

・出展料の不足をクラウドファンディングで集めたい
表現は別として、根本的なリクエストはここのようなので、いくつか提案をしました。
具体的に一口いくらで募り、見返りとしてどの程度のものを渡すか、などを400文字程度でまとめ話しました。
3000円でチケットを販売し、300円は運営者が、2700円は出展者が受け取ります。
出展者は2700円しかもらえないのに3000円相当（原価は1500円位でしょうけれども）の商品を売らなくてはいけません。
ただし、出展者は何もしなくても買ってくれる人がひとり増えるということなので、決して悪い話ではないはずです。
しかし、結論は（ほんのちょっとでも）出展者に負担が増えるとNGとのことでした。

そして、この後に、冒頭のセリフが来ました。

「◯◯は儲からないんです。わかります？言っていることわかります？だからお金を集めて欲しいのです。大丈夫ですか？」

かなり強い口調です。
念の為に場面を再掲すると、単なる会食で初めて会った相手方です。
当然フィーを頂いているわけでもありません。

私は答えました。心の中で。

（はい。わかります。
そして、敢えていえば、間違っていることもわかります。）

出資者から見たら、なぜ赤字補てんのためにお金を出さないといけないのでしょうか。
満足の行く回答を出すことは困難です。
当然、出資を集めることはこんなんでしょう。

クラウドファンディングに限ったことではありません。
補助金や助成金なら、原資は税金です。
特定の者の赤字補てんのためにそんな大切なモノを使うわけには参りません。
銀行にあるお金だって、預金者から預かっているだけのものです。
赤字補てんに使われて返ってこなくなったらどうするのでしょうか。
当然融資も難しいです。

結局、資金を集めるというのはそういうことなのです。
損したから、大変だから、辛いから、少ないから、「頂戴♫」。
これがうまくいくはずありません。

その後、私はそっと去り、他の席で有意義な会話を楽しみました。

＜情報提供・各種セミナーご案内＞

補助金・助成金をはじめとした各種情報提供を行っています。
講座やセミナーなど、最新のイベントはこちらをご参照ください。
http://www.reservestock.jp/page/event_calendar/7367