<はじめに 「人を雇っても人手不足は解消しない」>
サメとエイの違いをご存知でしょうか。
あまり大きな違いはなく、エラが横についていればサメ、下についていればエイです。
インコとオウムの違いはどうでしょうか。
実は、生物学上の違いはありません。
同じように、タカとワシ、クジラとイルカも差は認められていません。
ちなみに、補助金と助成金も大した差はありません。
管轄する官庁が、前者は経済産業省、後者は厚生労働省というだけです。
特に経営をするにあたって、明確に区別する必要性は少ないでしょう。
では、人材不足と人手不足はどうでしょうか。
よく似ている気もしますが、全く別物です。
しかも、区別して取り扱わないと大変危険です。
今回はその違いをまとめることから始めたいと思います。
そして、本稿の結論でもある、大切な事実があります。
それは「人を雇っても人手不足は解消しない」ということです。
そのロジックを解説するとともに、じゃあどうすれば良いかという案を提示したいと思います。
<敵を知ろう 人手不足・人材不足の正体とは>
まずは定義を確認していきましょう。
人材不足と人手不足は次のように定義されます。
(1)人材不足
特定のスキルを持っている専門家が不足している
「デキる」人が不足している
レストランの例では・・・
ウェイターは足りている
コックさんが足りない
→注文を捌きれなくて困っている
(2)人手不足
単純に労働力、頭数が足りない。
「デキるとはいえない」人が不足している
レストランの例では・・・
ウェイターが足りない
コックさんは足りている
→コックさんが注文を取ったり、配膳したりしている
レストランの例だと役割が明確に分かれているので、「コックさんを雇う」「ウェイターをアルバイト募集する」と対策も明確です。
しかし、このように役割分担が明確化されているビジネスは、むしろ稀です。
多くは一人が複数の役割を担っています。
社長が営業の主力であったり、役員が経理も兼務していたり、職人さんがクレーム対応を行っていたり・・・。
高度に成長した社会では、マルチタスクを求められることが常態化しています。
「人材」に求められるのは専門スキルなのですが、それに加えて、もう一つ、求められる重要な業務があります。
それは「フォロー」です。
上記のクレーム対応はその代表例です。
それ以外に、後輩の指導や、ミスの修正、メンバー間のいざこざの仲裁など、1日の業務のうちかなりの時間を占めることもあります。
これが「人を雇っても人手不足は解消しない」ことの根本の原因です。
<なぜ「人を雇っても人手不足は解消しない」のか>
上記のクレーム対応の例を元に、語弊を恐れずにいえば、次のように再定義することができます。
人材は問題を解決する人。
人手は問題を生み出す人。
人手が不足しているの急いで雇ったアルバイトが問題を起こし、クレームを連発して、人材であるベテラン社員がその火消しに奔走する・・・。
考えたくはありませんが、よくある光景です。
これはクレームに限った話ではありません。
人手不足を解消するために人を雇うと、指導でも修正でも、フォローに時間がかかります。
このフォローを行うのは人材です。
したがって、人材不足を解消しようとして人を雇うと、今度は人材(の時間)が不足してしまうのです。
それを解消しようと、人材を手に入れようとするのは自然な流れですが、人材は人手よりも高コストですから、より経営を圧迫します。
これは完全に悪循環です。
人手不足の解消のために人を雇うというのは、一見正しいように見えるのですが、全く逆の結果を生み出すことになります。
<人手不足を解消するためには>
繰り返しますが、人手が足りないという理由で人を雇うと、より高コストな人材が不足することになります。
ではどうすれば良いのでしょうか。
一つ考えられるのは、人手を人材にレベルアップすることです。
教育や熟練でレベルアップするのはもちろん、システムや設備を導入して、人為的に後天的にレベルを上げしまうのも合理的です。
だから国は補助金や助成金を出してまで、システム化を推進しているのです。
現在の日本ではこの取り組みが非常に遅れています。
その結果、労働生産性が低くなっているのが日本の産業の特徴です。
この、労働生産性とは、従業員一人当たりの付加価値額をいいます。
付加価値額を従業員数で除したもので、労働の効率性を計る一般的な尺度です。
労働生産性が高いということは、投入された労働力が効率的に利用されているといえるでしょう。
その反対の状況にあるということです。
<水筒に水は半分しかないのか。半分残っているのか。>
労働生産性が悪い。
人手不足が深刻だ。
人材が育たない。
これらは事実だとは思います。
おおよそ市場全体にいえる事実でしょう。
「だから大変だ」という愚痴ももっともです。
しかし、「他が大変なら、それを解決して仕舞えばチャンスである」ともいえます。
状況は誰に対しても平等です。
雨は皆に降りますが、それを憂うのも活かすのもその人次第です。
水筒に水が半分入っているとき、「もう半分しかない」と考えるか、「まだ半分ある」と考えるのか。
人手不足も同じです。
「人手不足さえ克服して仕舞えば飛躍できる。」と考えられるようになりたいと思います。
そのための解決策がシステムであり、補助金であり、効率化なのです。
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