一般社団法人日本タックスプランナー協会 代表理事 井上大輔です。
【新人の高評価はあくまで新人としてよくできるというだけ。 それをそのまま続けているだけでは早晩限界がくる。】
緩やかに右肩下がりの保険営業マン、
渋川さんが資金調達を武器に、
復活を果たす物語をお送りします。
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〜朝のミーティング2日目〜
上司
「さっそく、まとめた状況を
復習してみましょう。」
<渋川さんの状況まとめ>
1)成績は悪くはないが、
徐々に右肩下がり
2)見込み客に会う回数が
減ってきている
3)管理などに時間を取られている
上司
「・・・でよかったですね?」
渋川さん
「はい。
うーん、なんだか絶望的な気分に
なってきました。
手詰まりですね。」
上司
「なぜそう思うのですか?」
渋川さん
「見込み客に会いたいけど、
時間がない。
時間がないのは管理があるから。
そしてこの管理は減らせない。
となると、
手の施し様が
ない気がしてきました。」
上司
「なるほど。」
渋川さん
「私の契約は紹介が多いのですが、
結局たくさんの人に合わないと
紹介ももらえません。
時間がないとチャンスも
逃し続けることになります。」
上司
「確かにそうかもしれませんね。
一方、時間を増やすことは
できないので、
時間が無いなりのやりかたを
考えていかなくてはいけません。」
渋川さん
「これまでのやり方を続けていては
いけないということですね。」
上司
「それはそうでしょう。
誰しも、いつまでも新人と同じ仕事
というわけにはいきません。
それは営業職とて同じです。」
渋川さん
「・・・わかりました。」
上司
「よろしい。
使える時間が限られるなら、
無駄を無くさなくてはなりません。
何か減らせる時間はありますか?」
渋川さん
「人と会う時間は減らせないので、
あるとすれば移動時間でしょうか。
効率的に移動できれば、
無駄は省けます。」
上司
「なるほど。他にはありますか?」
渋川さん
「あとは、単純な待ち時間も
積み重なると大きなロスです。
アポとアポの間とか、
相手が遅刻したりとか。」
上司
「アポ自体はスムーズに
取れているのですか?」
渋川さん
「とんでもない。
むしろそこに時間がかかります。
時間をかけてもアポをもらえないと
完全にロスになります。」
上司
「なるほど。そのほかにアポ取りで
気になる点はありますか?」
渋川さん
「そうですね・・・
これは最近に限らずですが、
2回目以降のアポが取りにくいです。
最初は会ってもらえるのですが、
商談をしようと思う、
2回目のアポが取りにくいとは、
常々思っています。
当たり前といえば当たり前ですが。」
上司
「だいぶ状況が見えてきましたね。
またまとめてみましょう。」
<渋川さんの時間の使い方まとめ>
1)移動や待ち時間が多い
2)アポ取りに時間がかかる
3)特に2回目のアポ取りが難儀
上司
「・・・ということでいいですね。
時間なので、
対策は明日に回しましょう。」
渋川さん
「はい。」
つづく
<今日のまとめ>
〜本題は切り出しにくいもの?〜
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<主人公>
渋川明夫さん
32歳
Pルデンシャル生命保険勤務
5年前に国内重機メーカーから転職
2年目にMDRT(上位数%)
になったがそれ以降はなっていない
結婚2年目
妻と都下の賃貸マンションに二人暮し
妻の住宅手当が今年で終わる
年収1000万円
交際費300万円
フットワークが良い・明るい・若い
というのが売り
キリマンジャロに登ったことがある
自分の特徴は理解している、
それに対して、対応策を考えている。
たとえば、飲み会でも、
相対的な順位を考えて立ち振舞う。
<渋川さんの悩み>
付き合いで契約を取ることに
限界を感じてきている
契約者が増えるにつれ、
新規開拓に使える時間が減っている。
このままではジリ貧になるので不安。
これまで売りにしてきた
フットワークの良さは、
今以上に良くなることはないことを
自分でも自覚がある。
また、周囲を見ても、
フットワークを武器として
生き残っている人は少ない。
正直、「保険屋ね・・・」
という視線に、心折れそう。
予定が既存フォローばかりに
なっているのが心配。
新規開拓をしてこそ
成績が伸びるというのに・・・
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