一般社団法人日本タックスプランナー協会 代表理事 井上大輔です。
【ものづくり補助金のための「ガイドライン」 事例集5 「効率化」】
ものづくりサービス補助金の申請に必須の「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」の紹介も、今回で最終回です。
利益の向上には収益の拡大と費用の圧縮があり、前回までは前者に、今回は後者にスポットを当てています。
2.効率の向上に関する具体的手法
(9)サービス提供プロセスの改善
業務フローなどでボトルネックを明らかにすることで、安定したサービス提供が実現できる。
【具体的事例】
・総合病院
職員全員による業務改善提案活動、日々の仕事のビデオ撮影による作業分析、整理・整頓などの5S活動を徹底
室内のレイアウトを見直し
→ナースステーションや受付の作業の効率化を図る。
・雑貨等を扱う小売業
属人的だったバックヤード(店の売場の裏側にある倉庫や準備室)の作業工程を分析
不必要であった作業を省いたり、必要な作業については標準化・マニュアル化
→効率化を図る。
・地域内で複数の店舗を持つホテル
集中調理施設であるセントラルキッチンに調理を集約
→食事作りの効率化を図る。
バックオフィスのスタッフも接客ができるよう人材教育を行う
→部署を超えた対応が可能な人員体制をつくる。
(10)IT 利活用<効率化に繋げるための利活用>
(9)によるサービス提供プロセスの改善には、 ITを活用することが有効。
【具体的事例】
・飲食店
接客係にセンサーを付けて行動パターンを可視化・導線分析を行う
接客に時間をかけることができるよう、人員配置や厨房レイアウトを変える
→店内オペレーションを改善する。
・食品スーパー
POS と連動した販売・仕入・在庫・商品の管理システムを導入
→従業員の業務時間の短縮を実現
→顧客動線分析により高効率なサービス提供を実現する店舗設計や売場設計を行う
・その他
紙の文書をスキャナで電子化する
文書管理ソフトを用いる
→文書保管場所を削減するとともに、文書の確実な保管と検索効率向上を実現した。
・扱う商品の品数が多い衣類・靴・雑貨等を販売する小売店
店舗内の全商品に電子タグを装着する
→棚卸し作業を大幅に削減する
POS システムとの連動 により販売状況を把握する
→適正在庫の維持や売値の柔軟な変更を可能にする
・訪問介護サービス事業者
IT を用いてヘルパーの管理、利用者の情報管理を実施
→事業所に新規依頼があった場合に、資格や条件とともに、どのヘルパーが空いているか割り出せることができて、手配業務が効率化。
・旅館
料理の運搬等をシステム化・自動化する
→仲居の作業負担を軽減し、より接客に労力を割けるようにした。
・・・以上でガイドラインの事例紹介を終わります。
幾つかはご自身の事業に近いものもあったのではないでしょうか。その通りやるのがベストとは限りませんが、せっかく先人が道を作ってくれているので、それを見てから行動するのも合理的な選択だと思います。
<今日のまとめ>
〜なぜ事例を集めているのか〜
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